大熊ワタル気まぐれ日記


2004年12月23日(木)三宮AMZ

京都から神戸へ。
 新聞は各紙とも1面で浦中君事件の訴訟地裁判決。まずは県警の責任を全面的に認めていてよかった。このタイミングなので、翌日、浦中家に伺って線香でも上げられないか…。お母さんには「ゴーストサーカス」はお渡ししてあるが、まだ直接ご挨拶もしてないし。だが、お疲れだろうしやはり遠慮すべきか。
 さて、パギやんの年末ツアーもいよいよ楽日。神戸のゲストはおーまきちまきさんとのむらあきさん。被災地のライブではよく「対バン」だった。ほっこりしたナチュラルな歌だったよな・・・、とそんな記憶が、リハで吹っ飛んだ。自分だけでなく、パギやん、矢野さん、みんな楽屋で「え?」と絶句。歌の芯にみなぎるものが溢れていて圧倒される。
 以前がしょぼかった訳では全然ないのに、何とすばらしく伸びていることだろう。おめでとう!
 言葉尻だけでいうと、きわめてシンプルな人生の応援歌といえるようなものなのだが、歌ははやっぱり声だ。
聴き取る間もなくストレートに言葉が中まで飛んでくる。暴力ではない強いもの、歌の力を再認識した。
 さて、おーまきさんのパワーに乗せられて、調子に乗っていきたいところだったが、本番のころになると体が妙な具合。なんだか熱っぽい。風邪か? 集中するのにも一苦労で前半は苦戦。それでも、おーまきさんの登場する後半から、なんとか気合いでうっちゃって乗り切る。
 しかし、打ち上げは遠慮してホテルに直行。

[link:7] 2005年01月06日(木) 06:31


2004年12月22日(水)@京都・拾得

 いうまでもなく京都最古のライブハウス拾得。
 「じっとく」では変換しない。寒山拾得も駄目。情けないパソコンだ。
 いかにも昔からの京都らしい、落ち着いた横町にある蔵造りの建物。通りの街灯も明るすぎず、よけいな看板もあまりない、タイムスリップを誘う環境。駅からちょっと遠いがアプローチから楽しみたい小屋だ。
 楽屋は靴を脱いで木の階段を登った屋根裏部屋。畳敷きで最高にくつろげる。その壁には70年代のポスターが所狭しと貼ってある。どれも埃をかぶってるが、シルクスクリーンの大判ポスターには、上田正樹とか裸のラリーズとかめんたんぴんとか。横尾調のデザインが当時を物語っている。
 チャージが300〜400円というのもすごい。今でいえばいくらくらいだろう。
 出来たての「音の力」をマスターのテリーさんが買ってくれた。今回、三池・大牟田関連の記事があるのだが、出身地だということで、関心をもたれたようだ。
 そのうちテリーさんにもじっくり話しを伺うことにしよう。

 さて、パギやん4デイズ、京都のゲストはふちがみとふなと。
 いろんな小屋でこの二人を見てきたが、この拾得のステージが一番はまってるように思う。ここの座敷席でふちがみとふなとを楽しむ・・・。何という贅沢な空間・時間だろう!
 こんな二人、世界中ほかにいない。
 こんなライブハウス、世界中ほかにない。

 そして、この二人と入り混じった後半の流れは最高に楽しかった!
 これだから止められないのだ!

<追記>
 近所の定食屋(これがまた地味渋でいい感じ。老夫婦がやっていて旦那は「いとこい」のいとしさんみたいなおじいさん)で木の葉うどんを食べていたら、ニュースの音声が耳に引っかかってきた。
 「〜県警の失態が死因に結びついたと認定〜」とかなんとか。
 ん? と振り返ったら、神戸商船大院生・浦中君の事件でお母さんが起こした国賠訴訟の一審判決完全勝訴の知らせだった。よっしゃ〜! 県警は控訴なんかするなよ!

[link:5] 2004年12月26日(日) 04:13


2004年12月21日(火)冬至だ

 パギやんツアーの3日目、これから京都に出掛ける。
初日の名古屋はどうも集中しきれないところがあったが、昨日の烏山「壺」にきて、が然よくなった。
 ゲストの中山千夏さんのバイブレーションによるところも大きいだろう。飾らない自然体が、気持ちいい。
 パギやんはじめ我々オトコ勢もノリが急上昇。後半も楽しみだ。
 明日から日が長くなることでもあるし…。
 ところで、千夏さん関係など、普段と違う客層のなか、伊達政保さんの姿もあった。
 シカラムータ10周年ブックレットをお渡ししたら、さっそくチェックが入った。大熊・平井対談の中で、グッドマンが自らのユダヤ性を隠していた、とうのくだりに、そんなことはないとご指摘。一般的傾向としては、外れてはいないと思うが、ちょっと断定が大雑把だったかもしれない。もっと調べる必要もありそうだ。

[link:4] 2004年12月26日(日) 03:02


2004年12月19日(日)20minutes solo project

 街はすっかり年末・クリスマス前夜の雰囲気で、落ち着かないこと甚だしい。
 昼間、シカラムータのリハをやったあと、渋谷クラシックスで「20minutes solo project」。
 AYUO君主催のイベントで、5人が20分ずつソロをする。順番も開演時間にくじで決める。やってみると、順番がその場で決まるというのもなかなか面白いものだ。もっとも、リハーサルから本番までは落ち着かないし、楽器によってはもっと大変なこともある。
 三味線の高田和子さんに伺った話によると三味線は毎回弦を張り替えるのだそうだ。しかも、そのタイミングも本当なら本番の数十分前がベストなのだそうなのだが、今回はそういう事情で、早めに張替えて少し困った様子だった。
 出演者は高田さん、自分のほか巻上公一氏、カール・ストーン氏、AYUO君の5人。お約束どおり、最初に5人で揃ってお客にあいさつとクジ引き。僕は4番目、最初と最後はイヤだな、と思っていたのでラッキー。
 トップは高田和子さんで、ごぜ唄と現代曲(一柳さんの委嘱曲)の2曲。ごぜ唄といっても伝承曲ではなく、江戸時代の文人、菅江真澄(東北や蝦夷地の旅行記で知られる)が日記に記録した、当時のわらべ歌の歌詞(子ネズミが猫に親の仇を討とうとする話)に間宮芳生さんが作曲された「子鼠太郎」(98年)という最近の曲だ。ごぜ唄といえば、しゃがれた歌と風雨に打たれたベコベコの三味線というイメージだが、すらりとした高田さんの演奏は、しなやかでぴしっと決まっている。あまりにクセのないのが、逆にもの足りなくないか、と思いつつ聴いていたが、これはこれでさっぱりと気持ちのよいものだった。
 一柳さんの曲は、絵に書いたような前衛邦楽だったが、なかなか盛り上がる曲で面白かった。
 AYUO君は、最近寺山修二にはまっているようで、サイケなヴィデオを映写しながら寺山の詩を朗読したり歌ったり。
 巻上氏はテルミンとボーカル百面相。いつもながら芸達者な巻上さんの後はやりにくいな、と思いつつアルペジオで不屈の民と、ハミング口笛、クラの2丁吹きでゴーストのテーマ。思いのほかすんなりいった。時計は見なかったけどちょうど20分だったようだ。
 カール氏は10年くらい前に見て以来だが、前と同じくラップトップ演奏。どのくらい即興性や一回性があるのか、聞こうかと思ったが終わったら聞き忘れた。遠くから太鼓の連打が近づいてきて、様々なシーンが塗り重ねられていく。映画でいえば長回し。一見(一聴?)退屈そうなのだが、聞いているうちに引き込まれていく。不思議な芸だ。それぞれの音源の情報量が物を言ってるんだろう。ベースになっている太鼓はナポリの太鼓だそうだ。もしかして昔ドラマーだったの?と聞いたら当たりだった。

[link:6] 2005年01月02日(日) 03:26


2004年12月18日(土)過去の日記は

[link:8] 2005年01月10日(月) 06:52

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