こぐれみわぞうのプチ日記:2006-03-11


2006/03/11(sat)戸山公園1日目

きょうは気持ちよく晴れた戸山公園で、田中泯さんのダンスと共演、というのはおこがましいか、ご一緒させていただきました。
明日もありますので、ご興味ある方はぜひおでかけください。
泯さんは本当に素晴らしい。

正直なところ、ダンスや舞踏といったものには、なぜかまったく興味のトリガーを見出せないのですが(←ゆえに嫌いというわけではありません)、泯さんのダンスだけは、刻一刻とからだの筋肉が緊張したり弛緩していくさまから、周りの空間や空にまで意識が広がっていき、あらゆるできごとがおもしろくて、楽しめます。
もうひとつつけたすと、花上直人さんと、キャラバンテントの3人は別格。おもしろい。

さて、この公演中に、痛感したことがひとつ。
戦争は当分なくならない。

というのも上演中は、出演者も観客も通行人も遊んでいる子供も、いっさいの線引きなく、会場である戸山公園に共存していたわけですが、私たち演奏者たちが、たまたま公園に遊びに来ていた(おそらく近所に住む)小学生と思われる男の子たちの近くへと移動したところ、ひとりが太い枝を使って、いきなり太鼓を叩いてきたので、私は少しおどけて「コラー」かなんか言って怒ってみせたんです。

だいたい、楽器に平気でさわるのはよくない。
そもそもそれは他人のものなんだし、楽器にはこわれやすいものも多いのだから、とことん戸惑って躊躇してからひと言、さわってもいいかと聞いてくれればいいんです。喜んでさわらせてあげたくなります。手ほどきもしてあげたくなります。人の愛車に勝手に乗り込んで、エンジンかけて走りまわる人はいないでしょう。それと同じです。でも、特に太鼓なんかは、大人でもなんのためらいもなくいきなり叩きに来る人がいるから困ります。
で、それを注意しようと思っていると、彼らは口々に、
「なんだよ、女のくせに」
と言ってきたのにびっくり。
最も身近な、自分と相対するものに対して、そうした感覚を持っている(まだこどもだったので、「持たされている」といったほうがいいかな)ということです。
彼らとしては、距離を縮める方法として、そうやってけしかけてきたのかもしれませんが、泯さんのダンスからは、未来は明るいように感じさせてもらっていたまさにそのときだったので、こども相手に大人げないながらも、かなりカチンときてしまいましたー。
じゃあ、彼らの母親はどうなんだろう。
そうした感覚を身につけているわが子に対して、どんな思いをもってるんだろう。

この子たちが大きくなった頃には、
「○○のくせに」
という理由で戦う可能性は、往々にして考えうるでしょ。
でもなんとかして、その方向転換しないといけないのに、私たち大人はいったい何をやってんだ。
あまりにもがっかりしすぎて、楽しい日記が書けません。

[link:109] 2006/03/13(mon) 15:25