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昼間、シカラムータのリハをやったあと、渋谷クラシックスで「20minutes solo project」。
AYUO君主催のイベントで、5人が20分ずつソロをする。順番も開演時間にくじで決める。やってみると、順番がその場で決まるというのもなかなか面白いものだ。もっとも、リハーサルから本番までは落ち着かないし、楽器によってはもっと大変なこともある。
三味線の高田和子さんに伺った話によると三味線は毎回弦を張り替えるのだそうだ。しかも、そのタイミングも本当なら本番の数十分前がベストなのだそうなのだが、今回はそういう事情で、早めに張替えて少し困った様子だった。
出演者は高田さん、自分のほか巻上公一氏、カール・ストーン氏、AYUO君の5人。お約束どおり、最初に5人で揃ってお客にあいさつとクジ引き。僕は4番目、最初と最後はイヤだな、と思っていたのでラッキー。
トップは高田和子さんで、ごぜ唄と現代曲(一柳さんの委嘱曲)の2曲。ごぜ唄といっても伝承曲ではなく、江戸時代の文人、菅江真澄(東北や蝦夷地の旅行記で知られる)が日記に記録した、当時のわらべ歌の歌詞(子ネズミが猫に親の仇を討とうとする話)に間宮芳生さんが作曲された「子鼠太郎」(98年)という最近の曲だ。ごぜ唄といえば、しゃがれた歌と風雨に打たれたベコベコの三味線というイメージだが、すらりとした高田さんの演奏は、しなやかでぴしっと決まっている。あまりにクセのないのが、逆にもの足りなくないか、と思いつつ聴いていたが、これはこれでさっぱりと気持ちのよいものだった。
一柳さんの曲は、絵に書いたような前衛邦楽だったが、なかなか盛り上がる曲で面白かった。
AYUO君は、最近寺山修二にはまっているようで、サイケなヴィデオを映写しながら寺山の詩を朗読したり歌ったり。
巻上氏はテルミンとボーカル百面相。いつもながら芸達者な巻上さんの後はやりにくいな、と思いつつアルペジオで不屈の民と、ハミング口笛、クラの2丁吹きでゴーストのテーマ。思いのほかすんなりいった。時計は見なかったけどちょうど20分だったようだ。
カール氏は10年くらい前に見て以来だが、前と同じくラップトップ演奏。どのくらい即興性や一回性があるのか、聞こうかと思ったが終わったら聞き忘れた。遠くから太鼓の連打が近づいてきて、様々なシーンが塗り重ねられていく。映画でいえば長回し。一見(一聴?)退屈そうなのだが、聞いているうちに引き込まれていく。不思議な芸だ。それぞれの音源の情報量が物を言ってるんだろう。ベースになっている太鼓はナポリの太鼓だそうだ。もしかして昔ドラマーだったの?と聞いたら当たりだった。