[link:49] 2009年12月04日(金) 06:25
prev | new | next
log | forPC | forMobile
k-diary script by Office K.
※このページの更新情報はlastmod.txtより取得できます。
ジンタらムータの出番は2時頃だったが、トリの渋さにも誘われて、5時終演予定が少々押したのか、会場を出たのは6時過ぎだった。
(日の出前の薄暗い港の眺めが渋かった! …がのんびり眺める暇もなく… そう言えば、ライブの後というのも意外と忙しくて、何かとままならぬことが多い。来てくれた知人などが待ってくれていても、楽器の撤収などで、なかなか相手ができなかったりする。ゆっくり打ち上げができるときは至福であるが、いつもそうとは行かないものだ。)
ジンタらムータの演奏は、まずまずだったと思う。夜を意識した選曲はセミアコ編成にぴったりだったと我ながら満足。
渋さのほうは、はじめ不破さんの気ままな仕切りにドキドキしたが最後は、眠くなっているはずの観客を見事に大饗宴に持っていき、さすがでした。
(大団円の模様がイルコモンズさんのブログにアップされていた)
http://illcomm.exblog.jp/10505519/
(みわぞう、まだ絶好調…)
ただ、さすがにオールナイトで2ステージは体力を消耗したかも。小生は後に残るほどの疲れではないが、渋さの後半、だんだん自分の音が聞こえなくなって焦った。
みわぞうなど、張り切りすぎたのか、肩などの筋肉痛で完璧にダウンし、復帰に数日かかりそうな雲行きだ。背負ってるだけでも疲れそうなチンドンを、渋さの音量に対抗して爆打ちし続けたのだから無理もない。もし時計をもとに戻せるなら、終演後、野球のピッチャーのように肩を冷やしてクールダウンさせればよかったのかもしれない。
さて、話を戻すと、会場はシアター・ステージと隣接したラボ・ステージとの2ステージを交互に使用するかたちで進行した。シアターは大きな新港ピアの会場内にマトリョーシカ状に作られた、それなりの大きさの映画館というか映写スペース。道理で、幅広の割に客席の奥行きが浅く少々妙な感じ。内装だけで外装はない文字通りの直方体なので奇妙な巨大オブジェのようでもある(たぶんこの映像祭だけのために作られたのだろう)。一応壁で覆われていて外に音はあまり漏れない。…ので、ジンタらのほか、植村君のトリオや渋さなど音量の出るバンドはこちらで演奏。
一方ラボ会場は、一面に美術家たちの展示ブースが展開された広い部屋の一角(港を背にしたガラス壁)で、大音量には向かないが、奇妙なラウンジといった面白い雰囲気だった。
まあ、コンサートとしての雰囲気は面白げではあったのだが、何かすっきりしない感が残る。
そもそも、この映像祭は、動員不足などで何やら揉めたというか内紛があったように聞く。それはそれとしても、このファイナル前夜祭のオールナイト・ライブが、決まったのは結構最近のことらしい。出演オファーがきたのも3週間前くらいのこと。出展している知り合いの美術家も、直前まで知らなかったと驚いていた。
盛り上がらないままではマズイので、最後に集客してお茶を濁そう的な空気がなきにしもあらず。もちろん、このライブがきっかけで200人ほどが会場を訪れたのだから、駆け込み企画でも意義はあっただろう。
しかし(直接声をかけてくれたコーディネータ―氏には感謝したいが)映像祭自体からのフィードバックというか反応も(ありがとうでも異論でも何でもいいのだが)何も感じられなかった。
端的にギャラも安かった。人のことは何でも言える、とはいえ、一応専門家である大人を夜中に集めておいて、一人ウン千円にしかならないのは、ちょっとどうなんだろう。金額だけを言うなら、その条件でも受けたのだから、文句は言えないかもしれない。しかし、何か別なモノ、モノでなくてもよい。モノつくり同士ならではのフィードバックが何かあったなら、もうちょっと違ったと思うのだが。
実際、渋さのフィナーレで、不破さんが、客席に向かって、そこにいるはずの主催関係者に、アンコールの時間があるかどうか聞いたのだが、驚いたことに、誰一人として関係者はそこにいなかったのだ。自らのイベントのフィナーレであるにもかかわらず。
帰路、さわやかなはずの朝日を浴びながら、なんとも言えないモヤモヤを噛み殺しながらの運転となった。
+ + + + + + + + +
日曜は都内某所のレストランにて、引き続きジンタらムータ。作家・瀬川深氏の結婚パーティーでのライブだ。
会場は倉庫を改造したスペイン風レストラン。フラメンコ用の簡易な音響機材はあるのだが、スペースが割合広いのと、ジンタらムータとしては大所帯(チンドン+ホーン隊にギター、ヴァイオリン入りの7名)なので、若干の機材をレンタルして、システムからセットアップすることになった。
エンジニアに頼んだのは、ソウル・フラワー・ユニオンから最近卒業、ソロ活動になったミュージシャンでもある河村博司君。ギターや歌も素晴らしいのだけれど、現場で鍛えた録音やライブのエンジニアとしての腕も確かなモノがあり、頼りにしている。
さて、作家としてのデビュー作『チューバはうたう』で、シカラムータとファンファーレチョカリーアをモチーフにした話を書かれたという縁がある、その瀬川氏の宴席での演奏。詰めかけたご家族や友人たちの醸しだす、あたたかい空気に背中を押されたかのように、短い時間ではあるがロケットスタート&ハイテンションの演奏となった。
クライアントのニーズと、こちらの演奏が合致しているとはいえ、気持ちと気持ちがシンクロしたときの何ともいえない高揚感。
瀬川氏や可憐なパートナーさんの人柄もあるだろう。ご家族やご友人たちも「ならでは」の温かみある人々だった。
というわけで、一転して、すっかり浄化され感謝にみちた日曜となった。